ネタバレあり「美女と野獣」最高、だがちょっと待って。

美女と野獣」良かった。大画面で本格的なミュージカルを観られて、
エマの歌声が聴けて。それだけで1,800円払う価値がある。
2時間たっぷりと、あのおとぎ話の世界を堪能できた。
観た後感想を検索していると絶賛が多いし、私ももう一度観に行きたい位
面白かった。その上で気になった点を。

■全編暗くてよく見えない
ラストに呪いが解けて、明るい煌びやかな城になる。
その素晴らしさをより引き立てるためになのか、
城のシーンはほぼ薄暗い。この暗さは以前観た
マーティン・スコセッシ監督の「沈黙ーサイレンスー」を思い出す。
テレビで流れた予告編の方が明るくて見やすいのには苦笑。
なんとももったいない。

■食べ物が出てこない、またはまずそう。
上に関連して、夕食会のミュージカルシーン。
アニメではとても楽しい。美味しそうなシーンなのに
実写版はなんだかよく見えない。
また、囚われていてお腹すいているベルが初めてごはんを
口にするのにお皿を下げたりするなど、召し上がれという
雰囲気ではない。

食べ物も、スープとパン位しかちゃんと形があるのが
分からなかったような。しかも照明のせいかあまり
美味しそうではない。

■ポット婦人とチップ、アニメの方が生き生きとしていた。
アニメのポット婦人は注ぎ口がちょうど鼻になっていて
身体はどっしりとして頼もしい感じで。
実写は、大人の事情なのか、技術的な面を考慮したのか
筆で描かれた顔が動くのみ。あんまり可愛くない。残念。

■時代背景がよく分からない
アニメでは呪われて結構な年月がたったと
思っていたけれど、実写版では数十年?
というのはラスト、家具にされていた人物が
人間に戻った時、その場に居た村の人が再会を喜んで
抱き合うシーンがあったからだ。せいぜい2、30年?
アニメ版をみると10年位だったようだ。
その間に皆城の事を忘れたのか。

■魔女出過ぎ
ラスト、野獣が死んでしまい、ベルが愛してると野獣に言う
大事なシーン。未亡人に化けていた魔女がいつのまにか
しゃしゃり出て呪いを解く。あれ別に魔女はいらないはず。
むしろやっと2人の気持ちが通じ合ったのに。

■そんなに悪いことした?
そもそも論。そんな呪いをかけられるほどひどいことした?
むしろ人種の分け隔てなく使用人を揃えたり。
野獣になってからなのか、その前からもそうなのか熱心な読書家っぽかったし。
あの時代の人間に珍しくベルの自立を邪魔しない理解ある性格。
一夜のあの過ちは野獣にされるほどの罪だったのだろうか。

純粋に面白かったで終われば良いのに。
大人になると色々疑問が出てくる。それもまた楽しい。